情報が錯綜している、というよりも、
すでに意図的なリークが見え隠れする情報戦争が始まっています。
ここ一両日で
政治ニュースとして報道されたあとに誤報だと分かった例のひとつ。
2011年3月19日土曜日03時06分に読売新聞で取り上げられていたニュース。
”原発事故直後、日本政府が米の支援申し入れ断る”
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110318-OYT1T01107.htm
首相(民主党代表)が東日本巨大地震と東京電力福島第一原子力発電所での事故を受け、自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請していたことが18日、明らかになった。谷垣氏側は拒否した。
これに関連し、民主党の岡田幹事長は同日、国会内で開いた「各党・政府震災対策合同会議」で、閣僚の3人増員を柱とする内閣法改正を提案した。3ポストは原発問題担当と復興担当、被災者支援担当が念頭にあるとみられ、野党側も大半は増員には賛成する方向だ。
谷垣氏への入閣要請は、首相周辺から関係者を通じて自民党幹部に伝えられた。谷垣氏側は「入閣は大連立と同じで、責任の所在が不明確になるだけだ」として拒否した。
これを受け、首相は与党から新ポストへの起用を目指す意向だ。仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井代表らの名前が取りざたされている。
岡田氏は合同会議で、副大臣、政務官、首相補佐官を増やすことも提案した。
この記事のポイントは
○ 首相が自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請
○ 谷垣氏はそれを拒否
○ ニュースソースに関して開示されていないが、読売新聞では「明らか」なニュース
その8時間後、
2011年3月19日11時32分に産経ニュースで報じられたニュースは以下の通り。
”自民・谷垣総裁、入閣打診「ない。あっても応じない」”
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110319/stt11031911330000-n1.htm
自民党の谷垣禎一総裁は19日午前、菅直人首相が東日本大震災の救援・復旧や東電福島第1原発事故対策などのため野党幹部の入閣打診を検討していることに対し、「打診に応じる考えはない。一切考えていない」と述べた。党本部で記者団に答えた。閣僚枠の増員とともに首相が今後、正式に入閣を要請した場合でも、党として応じないとの考えを表明したものだ。
その上で谷垣氏は「われわれは災害対策と原発災害で協力を惜しむつもりはない。すでに与野党の協議会を提案し設置した。だから菅さんには全力をあげて今の対応に取り組んでほしい」と述べた。すでに首相側が谷垣氏自身に入閣を打診しているとの見方についても「全くそういう事実はない」と否定した。
谷垣氏周辺も「事実無根だ。こうした官邸の動きは大変、謀略的だ」と批判。「非常時に政局的な動きを仕掛けるヒマがあるのか。自分たちで対応できないなら政権を明け渡すべきだ」と語った。
一方、公明党幹部も18日、産経新聞の取材に対し、「ほとんど倒れかかっている菅政権に1人、2人が入ってどうなるのか。力をふるえないまま政治責任を負わされるだけになる」と指摘し、野党幹部の入閣は好ましくないとの見方を示した。
この記事のポイントは
○ 谷垣総裁は入閣打診のニュースを否定した
○ 谷垣氏周辺は「官邸の動きは謀略的」
誰かが、嘘のニュースを意図的に流した可能性が高い。
誰が、なんのために?
情報のリーク元は両方考えられる。
<民主党>
この国難時にも関わらず総理の要請に応じてくれない自民党、というネガティブイメージを植え付けるため
<自民党>
自民党の助けを乞う頼りない民主党というネガティブイメージを植え付けるため
他国がこの災害時に協力しなければならない日本の二大政党に亀裂をもたらすため、
という可能性もあると思う。
情報には、常になにかしらの意図が加わっている。
とくに緊急事態の中では精度の高くない「ウラが取れていない情報」もまわるし、
意図的にセンセーショナルな情報もまわす可能性がある。
情報を意図的に流すことで政局は動く。
そして、株式市場も為替も大きく動く。
とにかく、非常時のニュースは絶対に鵜呑みにしないでほしい。
今、ガソリンがなくなると噂が流され、被災地がガソリン不足で苦しんでいるのに
ウハウハしているのは石油に投機している人たちでしょ?
新聞もテレビも間違った情報流しても謝罪はしないし、
踊らされるヤツがバカ扱い。
よく思い出してみよう。
1994年の松本サリン事件。
この事件に際して事件の第一通報者となった河野義行さんは
警察から事件への関与が疑われ、
長野県警察は河野の自宅の家宅捜索を実施。
自宅から農薬が見つかったこと、
そして不審な煙を見たという虚偽の証言によって、
マスコミは彼を犯人にしたてあげたあの冤罪事件。
もう忘れているだろうけれど、当時の混乱の中
テレビのリポーターもコメンテーターも、
世論も警察もみんなが彼が犯人だと決めていた。
センセーショナルな情報がまかれ、誰が利を得るのか?
本当に冷静に。
Don't Believe The Hype!!
意図的なリークやセンセーショナルな記事にだまされないように。