去年の今ごろの時期、ジャマ研の”しぇんしぇい”から、NHKでインドの面白いドキュメンタリー番組を見た、って話を聞いてた。
ビデオ貸してくれる、って言ってたんだけど、なかなかチャンスがなく、観れてなかったのですが、先日、本で出版しているのを発見、即買いしました。
タイトルはそのまま、”インドの衝撃”。
ゴールドマン・サックスが2003年に投資家向けに出したレポートで有名になった、いわゆるBRICsの一角として、経済的に急成長をし続けるこの国の経済の今を解説するこの本、ホントにかなりの衝撃でした。
オレがインドに行ったのは2003年、それもオヤジの仕事の関係でラクナウという地方都市に2泊4日という強行スケジュールで行っただけだったから、あんまり経済とかは分かんなかったけど、年々ものすごい勢いで発展し続けているそう。
70年代にインドを放浪していた知り合いの人も先日20数年ぶりにこの国を訪れて、あまりの変貌ぶりにぶったまげてた。
インド発展のキーワードは”アウトソーシング”。
グローバリズムの中で、コストを押さえたい先進国企業が、英語が母国語で、コンピューターにも強くて、なおかつ人件費の安い、この国の企業に仕事を外注したのが、今の経済発展の礎になっている、とのこと。
そして、やっぱりインド企業の代表として出てくるのが、最近話題のITコンサルティング企業、インフォシス。
2002年から2007年まで、企業の年平均成長率40%だって。
インドのビル・ゲイツとも呼ばれる、創設者のナラヤナ・ムルティはインドの学生から尊敬する企業リーダー像として、かなりリスペクトされてます。この前、朝日新聞のインタビューにも答えていたが、「頭は資本主義、心は社会主義」という考え方もすごく共感できる。会社の利益の1%を貧困に悩む村の支援にあててる、って。
ナラヤナは敬虔なヒンドゥー教徒で、神様を信じるが、「神以外の事はデータで示せ」という社訓も、現代の哲学っぽくていいです。
これから株を買うんだったら、こういう会社に投資したい、と思わせるような企業。姿勢はすごく評価できると思う。
ノーティスボードで働いた3年半で、インド人の人たちともビジネスをする事がけっこうあったけど、やっぱり駆け引きはうまいよね。カースト制度の名残なのか、「人を使う」ことに慣れてると思った。言う事を聞いていると、どこまでも頼んでくるし。
カレー食って、ターバン巻いてって、いう、典型的なインドのイメージはもはや数十年前の話。
今じゃ、普通にお酒も飲むしね。2年前に東高円寺の「グラスルーツ」にバングラビートとダブのパーティーに行った時も、わざわざ八王子から遊びに来て、呑んだくれてたインド人エンジニアグループがいた。
サドゥーとして、一生でんぐり返しをしながら生活している修行僧もいれば、毎晩両脇に女の子抱えてシャンパンで豪遊している奴もいるってわけですね、はい。
そんなカオスの中で、小さいころからロジカルな思考を、学校教育を身につけていく、とのこと。いわゆる、二桁かける二桁まで、暗算で覚えさせる、っていうインドの算数。
今や日本のセレブなママたちが、西葛西のインド人インターナショナルスクールに子供を通わせたがっていて、すごい人気があるっていうのも納得。英語と算数、同時に覚えられるしね。
ちなみに、タイトルの「ディワリ」とは、ヒンドゥー教で「光」という意味。毎年秋にある、ヒンドゥーの新年のお祭りの名前。2002年にウェイン・ワンダーの「No Letting Go」で世界中でブレイクしたレゲエのリディムの名前も「ディワリ」。これはトラックメーカーのレンキーがインド系ジャマイカ人だったから、つけた名前。ジャマイカのラスタファリズムに関連するガンジャもヒンドゥーのガンジス川が言葉の起源です。
去年10月にも、東京のインド人街、西葛西でディワリのお祭りが行われていたそう。いつか、いこうと思ってるんだが、まだチャンスがつかめない。
それにしても、この人たちのインテリジェンスには驚きを通り超して、ちょっと怖いぐらい。最高峰のインド工科大学は、今やハーバードよりも難しく、卒業の前にはグーグルやマイクロソフトなんかの一流企業の役員がスカウトしに来るらしい。
年をとるごとに、ある程度の知的武装の必要性を感じます。日本の国際競争力が弱まっているのも、教育の問題が大きいと思う。おじいちゃん、おばあちゃんたちの代は、戦後何もなかったから、相当腹くくってたと思うしね、今のインドには、昔の日本のような勢いがある。
この勢いでは21世紀半ばには、世界第一位の経済大国になる、との予想。
知性は大事です、ホント。
かわいいラティーナに「お〜、ハポネース、インテリヘンテ〜、インテリヘンテ〜!」と言われて舞い上がっているようじゃ、ダメですな…。
興味持たれた方、読んでみるか、映像で見てみてください。
マジで衝撃です!