レゲエを聴き始めて早10年の2006年の夏、衝撃的なトラックに出会った。その名も、"Red Bull & Guinness"。トラックメーカーは若き才能、Stephen McGregor。往年の名シンガー、Freddie McGregorの息子。若い、つうか、まだ高校生!小さい頃から、偉大なとうさんの影響でスタジオを出入りしてたらしい。
このトラック、ジャマイカ、カリブ諸国、ヨーロッパ、日本、どこのレゲエの現場でもメチャクチャ受けていて新しい才能の時代を感じさせた。
トラック名の影響からか、レッドブルとギネスをミックスして飲むのが本物の男だ!、とばかりに、ドロドロの液体で喉を潤す、マッチョな酒飲みスタイルがラガマフィンの間で流行ってたのを覚えてる。
その後もStephenはヒットトラックを連発。"12 Gauge"とか、最近では"Blue Tooth"とかがお気に入り。
最近のダンスホールレゲエはリリックを知れば知るほど歌い手の世界と、自分の世界のギャップがあって、なんかついていけない部分があるが、彼の作品はインストのトラックとして秀逸。
ラジオで耳障りのよい音ではなく、爆音で聴いて初めて分かる妖しい音作り。
このプロデューサーがインスパイアされている音源が幅広いからなのか、これまでのレゲエになかった、いい意味での斬新な”速さ”、疾走感。
マーケティング・リサーチされたポップスよりも、ストリートの現場でかかる爆音を支持する耳の肥えたジャマイカ人ありきで出て来た現在17才の若者です。去年暮れにEMIと契約したので、これから売り出しに入るのか。
ダンスホール飽きてきたし、もーいいかな、もーいいかな、と思いながらもこういう”本物”とふと出会ってしまうのが、今でもレゲエを聞いている理由。
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