今日、日本のニュース番組やyahooのトップニュースにも報道がありましたが、
キングストンの一部の地域に非常事態宣言が出ています。
アメリカで指名手配されているドドスというギャングのボスの身柄引き渡しに関して、アメリカ当局の再三の要請にも関わらず証拠不十分として拒否し続けて来たジャマイカの首相がついに折れ、引き渡しに合意したことに関し、彼を支持するダウンタウンの住人が怒り、道路封鎖や警察署襲撃という行動に出ています。
これに関しては、ジャマイカの二大政党制の政治やIMF主導の経済再建、アメリカとキューバに挟まれた地政学上の歴史などなど、複雑に絡み合う問題で難しいです。
ジャマイカにいる時から新聞や本を読んだり、街の住人や新聞記者なんかからも話を聞いてたけど、東京に帰って来た僕がこの話をしても、飲み屋で口泡飛ばしながらあーだこーだ無責任に語ったあげく、明け方のヤマガで潰れてしまうのが関の山。
ジャマイカにいる一緒に働いていた仲間や友人が少し心配ですが、こういう手合いには慣れているし、実際に根を張ってる住人はジャマイカ人も日本人も想像以上にタフでストリートスマートだから、問題ないでしょう。
危ない、危ないと行っても、非常事態宣言が出ているのは一部のみ。
通常通り朝から働いている人も、ナンパしている人も、カジノで一発当ててやろう、って人もいるわけです。
ガリレオは「それでも地球は回っている」って言ったけど、
ジャマイカ風に言うと
「それでもレゲエは流れている」わけで。
去年の秋、Red Hills Roadを運転している時、ジャマイカ人の同僚に「ドドスの話は、ジャマイカの”Untold Storyだ!"」
って言われた事を思い出してます。
ドドスを始めとするギャングと政治の問題に関しては、
キングストン在住の日本人ジャーナリスト、モリモトさんが翻訳した名著「ボーン・フィ・デッド」
に詳しく書かれています。
労働省のあたりとか大丈夫なんでしょうか?
早く騒動が落ち着き、ジャマイカのすべての人に日常生活が戻れますように。