今年観た映画で「ブルー・ゴールドー狙われた水の真実ー」
っていう映画がある。
2020年代以降に迎えるであろう「水の経済戦争」の現実を
ドキュメンタリーで追った作品。
石油利権から水利権の時代へ
もうすでにシフトしている、という話。
環境破壊に伴う水不足は国際企業に取っては商機であり、
国にとっては外交のカードになる。
それに気がついたフランスのネスレ、スエズなんかの
大企業はすでに90年代から途上国の水道事業を買い取り始めていた。
民営化することによって
公共事業の赤字債務に苦しむ途上国は支出削減にはなるのだけれど、
生命線である「水」を押さえられているという事は
その国の首根っこを掴まれているのと同じこと。
政府の意向と関係なく断水したり、料金値上げしたり、
国民を生かすも殺すも
他国の企業にイニシアチブが握られちゃっている。
おもしろいのは、途上国だけではなく、
アメリカのロスやニューヨークも
外資に水道事業を買い取られていたということ。
水の奪い合いはアメリカではなく、
フランスやドイツの飲料メーカーのほうが一足早く動いてる。
今後、
水を外交のカードとして展開できるほど余力があるのは、
カナダ、ブラジル、ロシアなど。
ブラジルの水源地はウルグアイの国土内にあり、
この界隈の土地は最近になって
アメリカの元国防長官ラムズフェルドの関連企業が買収している。
日本は雨量も豊富で水事情はそんなに悪いわけではないのだが、
ホントかウソか中国人投資家の意向を受けた日本人が
ここ数年国内の水源地を買い占めているっていう話もある。
中国は今後水不足が深刻化することは予想されているからね。
尖閣諸島の下に埋まるという
天然ガスや石油の鉱脈だけではなく、
こうした形の水経済戦争の展開も日本は考える必要があると思う。
ちなみに、この映画観たのは渋谷のUPLINK。
今年観たドキュメンタリーの個人的にはベストだったんだけど、
上映中お客さんはオレひとり。
アップリンクは
ロッカーズ、
ジャマイカ楽園の真実、
六ヶ所村ラプソディー、
エメラルドカウボーイ…などなど
最近だと、黒澤映画やジブリ映画の英字翻訳を手がけている
リンダ・ホークランドによる
60年安保のドキュメント「ANPO」も上映してた。
渋谷東急本店近く。
面白いドキュメンタリーたくさんやってます!