旅行中に知った、カリブの島国、ジャマイカの南部に位置する古港ポートロイヤルの話をひとつ。
ポートロイヤルは映画「パイレーツオブカリビアン」の舞台になった街。17世紀後半にイギリスの海賊が住み始め、新大陸の先住民から強奪した財宝やら、スペインの船から海上で取り上げた貴金属やらで、当時世界で一番経済が潤っていた都市。
だが、悪銭身に付かず、か、神の怒りに触れてしまったのか、1692年に発生した大地震で街の2/3が海に沈んでしまった。
今では小さな漁業の町として過去の栄華の面影もなく、小さな博物館がある程度だと思っていたら…
11月に立ち寄った際に地元の人にいろいろ聞いてみると、興味深い話がちらほら。
漁師たちの話によると、沖合い200メートルぐらいで、沈んだ街並が海面から確認できるそう。なかでも、海賊たちがラム酒をあおり、ギャンブルに興じていたSt. Petersという教会の一部分は今でも海上に出ていて、浜辺から確認可能。スキューバダイビングができればその教会の海中部分を探索できる、とのこと。スキューバをやるにはジャマイカ政府の許可が必要だけれど、深さも30フィート(9メートル程度)なので、潜るのはそんなに難しくはないみたい。
過去の海賊の歴史にジャマイカ人が興味ないからなのか、国内では学術的な研究も遺跡としての保存にもあまり力を入れているようには見れなかった。水中の建築物も未だにほとんど放置プレイ。でも、今後、ジャマイカ政府が本腰を入れてポートロイヤルを観光地化するという噂もある。これには大賛成。マチュピチュに行って実感したけれど、遺跡の観光収入って安定した国の財源になるし、過去の歴史を勉強するいい機会になるし。
これまでいろんな国の水中考古学者が学術研究という名のもとに、地元の漁師にボートを出してもらってこの地域に潜ったが、今ではもう金銀財宝の発見は難しいそう。ただ、なかには運のいいトレジャーハンターもいて、見つけた財宝とかを盗んでいったケースもあったみたい。
オレも次回行く時はなんとか許可をもらって、海中の教会に潜ってみようと思ってます。
写真
左
当時有名だった海賊、モルガンをモチーフにした看板。
中央
航海時代のポートロイヤルの地図。
右
11月にキングストンで開催されたアンティークフェアのフライヤー。海で見つけた骨董品はこういう場で売られていたみたい。